世界中で研究が進む「水素」の医療応用

近年、水素分子は医療や健康分野で注目されている成分の一つです。
2007年に発表された研究をきっかけに、水素の抗酸化作用や細胞保護作用などの可能性が世界中の研究機関で研究されています。

現在では、呼吸器・循環器・神経系など様々な分野で研究が進められ、水素吸入療法の可能性に注目が集まっています。

心停止後症候群に対する研究


慶應義塾大学病院では、心停止後症候群の患者を対象とした水素ガス吸入療法の臨床研究が行われました。

この研究は、日本国内の複数の医療機関が参加した多施設共同の無作為化比較試験として実施されています。

対象となったのは

  • 病院外で心停止が起きた患者
  • 心肺蘇生によって心拍は回復したものの
  • 意識が回復していない状態の患者

であり、2%の水素を含んだ酸素ガスの吸入が行われました。

この研究では、従来治療と比較して

  • 生存率の向上
  • 後遺症なく回復する割合の増加

が確認され、水素吸入療法の可能性が報告されています。
また、臨床試験では水素が原因と考えられる重大な副作用は確認されませんでした。

新型コロナウイルス感染症への研究

型コロナウイルス感染症の流行時には、水素と酸素を混合したガス吸入療法が研究されました。

中国では感染症研究の第一人者である鐘南山(Zhong Nanshan)氏が提唱し、研究が進められています。

臨床研究では

  • 呼吸困難の改善
  • 症状の重症度の軽減

などの可能性が報告されています。

この研究をきっかけに、水素医療への関心が世界的に高まりました。

現在では

  • 抗酸化作用
  • 炎症抑制
  • 細胞保護

などの可能性について研究が進められています。

水素吸入の新しい可能性

水素の医療応用は現在も研究が進められている分野です。

しかし世界中で研究が進み、今後の医療や健康分野において新しい選択肢となる可能性が期待されています。

参考情報

・慶應義塾大学病院
水素ガス吸入療法(先進医療の開発)
https://www.hosp.keio.ac.jp/about/yakuwari/senshin/senshin16.html